レディバード

私が、監督のグレタ・カーヴィグの熱狂的ファンというのを差し引いても、素晴らしい映画だった。久しぶりに映画館で、震えながら泣いてしまった。

都会に憧れるティーンネイジャーなんて、よくある話なのに、なぜあんなにショックだったのだろうか。
鑑賞後数日経ち、ふと、彼女の周りにいた大人のせいだ、と気づく。
地味で退屈だけれど、寛大な心を持つ大人たちの視点が素晴らしかったのだ。

自分の人生が、レディバードの憧れるものではないとわかっていても、彼女に現実を教えなくてはいけない。大人たちの温かさに胸が震えたのだった。

レディバードが地元サクラメントについて書いた論文(おそらくたっぷりの皮肉と悪口)を読んだシスターが、あなたはサクラメントを愛しているのね、と言う。
その時、シスターがレディバードに向け投げかけた言葉が印象的であった。
「注意深く見ることと、愛することに、違いがあるのかしら」。