カステラ

そもそもの始まりは、何だったのか、今となっては思い出せない。
3日にいっぺんの頻度で、カステラを焼く習慣ができてしまったこと。
粉の量を計り、混ぜて、焼く。
修行のように、アスリートのように、集中して無心になれるカステラ作り。

江戸時代の人が作っていたくらいだから、私でも失敗することはない。
バターを使わず、油の量もほんの少し。
そこがいい。
なにより、きれいな四角形になるのがいい。

とにかく3日にいっぺん作るのだから、家じゅうカステラだらけになる。
私は朝と、おやつに食べるが、それでも余る。

この間、兄にあげたとき、私が焼いたカステラを見て、
「うわあ、おばあちゃんに食べさせたかったなあ。綾子がカステラを作るなんて
そんなことがあるかいね!って驚いただろうね」
と言った。

そうだった、私たちのおばあちゃんは、無類のカステラ好きだったのだ。、
私がこんなにカステラを焼き続けてると知ったら、どんなに笑うだろうか。

どうして、生きてる時に、こんな簡単なことで喜ばせてあげられなかったのだろう。