2016/09/24

思い知らせてやる、不当に扱われた、この怒りをぶちまけてやる。
私はね、そんなことを言われて、黙っているような女じゃないんです。
ああ言って、こう言って、あれも忘れずに言わなきゃ。
ぐうの音も出ない正論を突きつけてやるんだ。

そして、相手がぎょっとしたり、びっくりしたりする顔を想像する。
もしかしたら呪いが解けたかのように、すんなり考えを改めて、謝ってくれるかもしれない。
だって私、絶対に間違ってない。
悪いのはあなた。気づかせてあげる。

それで、相手が謝れば、私はヒーロー。
周囲からの賞賛の眼差し。


だけど実際、そんなことはしない。
私は大人だし、社会人だから。
寝る前とかに、ちょっと、そういうことを想像して、すっきりするだけ。

漫画やドラマみたいに、正義を突きつけられる完璧なタイミングなんてないし、結局のところ、悪いやつは悪いまま、間違いはそのままで、私の人生は続いていく。
だから、状況はいつまでもグレー。もやもやとした気持ちで生きている。

そのかわり、家の中で愚痴ったり、電話で誰かに話を聞いてもらったり、やけ食い、散財、悲しいくらい長い時間眠る。
そんなことでなんとか気持ちを治めているのだ。

だけどこの間、職場の朝礼で、行動に出たおじさんがいた。
私が寝る前に思い描いているような、正論を叩きつけるということをやってのけた。

おじさんが言っていることは正しくて、私の気持ちだって一字一句その通りだった。

ああ、よくぞ言ってくれた。溜飲が下るとはまさにこのこと!と横にいた私は思ったのだった。

だけど結論から言うと、賞賛もなく、現状の改善もなかった。

一瞬、アリの行列が乱れたように状況は混乱したけど、じわじわとまた元の行列に戻っていく感じで、問題は解決せず、おじさんは怒ったまま、何一つ変わらない朝礼が終わった。