恐怖分子

「恐怖分子」、日本では約19年ぶりの劇場公開ということで、公開前から楽しみにしていたのに、結局最終日直前に駆け込むはめになりましたが、渋谷イメージフォーラムへ行ってきました。

「恐怖分子」は台湾の監督、エドワード・ヤンの1986年の映画です。
一人の少女が暇つぶしにした、ただのいたずら電話が小さな波紋となって、別の人たちの人生を狂わせてしまうのです。
静かで単調な映像に映る、昔の台湾の街や人。

私たち、日本と台湾は同じように島国で、こうした作品を見ると、私たちは共通した閉鎖的な苦しさを持っている。無意識のうちに何よりも恐れているのは、分かり合えずにはみ出してしまった時の絶望。

「恐怖分子」の中の台湾は、すごく「足りなさ」を感じる。
人も、ものも、せりふもそうだし、感情も表情も、薄ら寒くなるくらい足りないのに、人間がいれば、たとえその数が少なくても、そこに混乱は生まれて、物ごとはどんどん複雑になっていく。人間の欲望が、そうさせるから。